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坂道
「じゃあ明日から2段階ね。がんばってね。」
ええーっ!昨日お姉さんに相談して、かなり気持ちが楽になって、今日の教習はずいぶんリラックスできた。そのお蔭か?
次の日ルンルン気分の私に「4輪のコースに行くからついて来てね」???
ここの教習所は2輪のコースが独立していて、4輪のコースへは生垣で仕切られた細い通路でつながっていた。
軽自動車がギリギリ通れるぐらいの細さの道。
教官の後になれた教習生が何人か続いて、サーっと行ってしまう。
私もなんとかついて、4輪のコースの外周を今まで出した事のないスピードで走った。
2輪のコースの直線が短いのでここで最高速度40kmを出す課題があるのだ。
「きもちいー!」
ヘルメットの中でゴキゲンな私。
でも、2輪のコースに帰る所が問題だった。一旦停止して左折しながら上り坂になっている通路。
そう、ここは多摩川の河川敷を利用して作られた教習所。
コースのすぐ脇は土手になっている。私はこの土手に向かって発進してしまった。
「ばうううーん、がたん、チャリーン。」
走る・止まるがスムーズに出来ても、上手く曲がれなかった。
ハンドルを切りきれず土手に向かって突っ込んでしまったの。。。
「大丈夫か!」
このときだけだったな〜教官が駆け寄ってくれたの。。。
バイクが土手に乗り上げ、私の体を跨ぐ様に倒れたので、怪我はなかった。

教官がバイクを起こして通路に運んでくれた。
「ステップ折れたか」
冷静な教官の声。あの”チャリーン”は
ステップが折れて落ちたときの音だった。
<どうしよう、修理代請求される。>
でもそう言う事も含まれた教習料金なんだよね。
その後、普通の坂道発進で立ちゴゲして、ガードレールに
ミラーをぶち当てて折りました。

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